KⅡ‐HINTSファミリー・ウィンドアンサンブル
創立１５周年記念委嘱作品
「ヴィクトリアの滝」～詩篇“大自然に生きる獅子たち”より

　１５周年のコンサートで世界初演された、「『ヴィクトリアの滝』～詩篇“大自然に生きる獅子たち”より」。私たちが愛してやまない八木澤教司氏に作曲していただいた。

「加藤先生の定年退職の年、お祝いに何かできないだろうか・・・。」そんな幹部メンバーの思いもあり、八木澤氏へ依頼することを決め、大きな企画が動き出した。それから、約３年。音楽監督、そして私たちが夢にまで見たこの時がやってきた。楽団の創立１５周年を迎える節目でもあるこの年に、委嘱作品を記念に描いていただけることとなる。脚本家まはるが描く『「ライオンたちの物語」～大地の彼方、ヴィクトリアの滝を目指して～」』の詩を題材に曲の作成を依頼。静けさの中に感じられる生き物たちの気配。そして、壮大なアフリカの大地を想像させる、見事な世界観が広がっていく・・・

　最初の楽譜が届いた時、初めて自分たちが音にし、曲を作っていく・・・初めての事にもちろん緊張した気持ちもあったが、夢にまで見た日に心が熱くなった。そして指揮を振る音楽監督の溢れるばかりの笑顔に本当に嬉しく思った。大切なみんな、そして音楽監督である加藤先生と演奏できたことに何にも変られないぐらいの幸せを感じた。

「ライオンたちの物語」
〜大地の彼方、ヴィクトリアの滝を目指して〜

詩　まはる

地平線を貫いて　昇る太陽　世界を照らす
琥珀に染まる大地が目覚め
ライオンたちは、立ち上がる
恐れを見せぬライオンたちの
道なき道へ踏み出す一歩(ゆうき)
大地の彼方、ヴィクトリアの滝を目指して！

乾いた大地を照りつける
燃える太陽　鬣(たてがみ)を焦がす
幾日歩めど　水なき大地
歩みを止めた一頭が
力尽きて　群れを去る・・・

仲間の背中を思い出す
凍える新月　遠吠えが響く
幾日歩めど　凍てつく大地
夜空を包む星に願う
それぞれの道　ひかりよ照らせ

歩き続けて幾星霜
突然、空が消えゆくと
大地が闇に覆われた
ライオンたちの疲れた肉体(からだ)
恐れをなして立ちすくむ・・・

その時、空より光が射して
フラミンゴ！一斉に、空飛んでゆく！！
飛びゆく後から　空、澄み渡る
大地の彼方が、そこにある！！
大地の彼方に、どうどうと！！
流れおちる　ヴィクトリアの滝

誰もが無理だと思うこと　ライオンたちは成し遂げた
誰かの一歩(ゆうき)が　世界を変える
歩み続ける者たちは　いつか必ずたどり着く